Takuto-Psych/博士後期課程に行くつもりだけど就職活動をした

Created Sun, 06 Mar 2022 00:00:00 +0000 Modified Thu, 27 Oct 2022 22:39:22 +0900

就職活動をするまでの僕

僕は、学部生の頃も修士課程に入ってからも、就職活動をしていませんでした。 理由は、研究が好きで論文読んでたら、気づいたらこの歳になってたからです。あと、高校生の時に親に修士まで行かないと受験できない某心理の国家資格を取るから学費を出してくれ、と土下座したので、学士就活は考えてなかったのもありました。後述する経験をするまで、僕自身自分の人生がぶっ壊れるのはどうでも良かったので、好きな研究して30手前で博士取るなり単位取得満期退学するなりで職無し状態で社会に放り出されたら首吊って死ねばいいかと思っていました(絞まって頸動脈洞反射で脳虚血失神後に気管締まっても苦しくなく死ねるというのは、高校生の時に柔道で裸絞め失神を繰り返していたので知ってました。柔道が最適な死に方の知識に繋がりました。みんな柔道やろう!)。なのでまあ普通の人がするであろう就職活動をしていませんでした。

話を戻して、普通は修士出て某国家資格を取ったら精神科とか産業保健のカウンセラーやセラピストになるんですが、僕自身は学部時代に勉強してたら、そういった職に一切興味がなくなっていました。なので、そういった臨床現場に行くための資格というよりは、博士後期を終えてアカデミックポストを探すときに資格を使おうと思っていました。人格心理学とか社会心理学とか、某国家資格と関連ないと思われる授業の公募でも某国家資格必須の条件があったりするので。謎です。

さて、そんな僕ですが、何を間違えたのか民間企業に就職活動をして内定を頂いて来年から働くので、そのお話を、特に就職したいと思ったモチベーションの部分について書いていこうと思います。

就職活動をした経緯

大事な人と出会ったお話

僕は学士の末の2月ぐらいにとある女性と出会いました。そして修士入学と同時くらいにその女性と交際するに至りました。付き合う前には、「僕は社会に出るよりも研究をする方が相対的に楽しいのでそちらを選ぶ。30手前まで親の脛を齧る学生なのでゴミみたいな物件だ。僕より数年年上の君は子供作れる期間も限られているわけで、トチ狂っていないなら他の男を見つけたほうがいいですよ」と伝えていました。トチ狂っている女性なので、彼女はそんな僕と交際してくれました。

そんな交際が開始されたわけですが、修士1年生の間は某国家資格受験のための実習と行動実験のプログラム作りと論文書きと、「孤立させられた後に社会的つながり刺激を見たら腹減り時におにぎり見るのと同じ渇望起きるぜ」(意訳)論文(Tomova et al. 2020)を読んだりに追われていました。そのため、会う期間も3~4ヶ月に1回程度でした。彼女と会ってドパドパするドパミンよりも、論文読んでドパドパするドパミンの量の方が多かったので特に問題なく過ごしていました。多分エンドルフィンとオキシトシンは、彼女と会ってる方がドパドパしますけども[Murphy et al. (1990)]1

さて、そんな感じで1年経ったら、M1の末の3月になりました。彼女は僕の取る某国家資格を取りたいそうでした。そのため大学院に進学しなくてはなりません。僕自身一応1年間実習行ったりしていてわかりましたが、某国家資格受験資格を得て、さらには本気で研究するには、遊ぶ時間もバイトする時間も取れない生活を2年間修士でやらなくてはいけないです。修行ですね。が、彼女が研究も実習もコミットするためにバイトをしないとなると、資金がショートする気配があるようです。

僕自身は親の脛齧って全コミットしてこれました。が、まあそうでない人も世の中にいるわけです。彼女には、やりたいことを思う存分やってもらいたいとも思います。はてさて。

上述したステキなトチ狂い彼女と出会い交際をしているわけですが、トチ狂っている彼女といると、また話していると、オピオイドがいっぱい出ます。PET研究はまだ参加したことないので実際に僕の体の中でcarfentanil様内因性神経伝達物質が出てるのかは知りませんけども。ぜひ「愛着対象の画像刺激による内因性神経伝達物質放出の検討」みたいな研究あればNを1個増やしに参ります。

コカインやアンフェタミンは、身体依存(離脱症状)がないとも言われていますが、ヘロインやモルヒネは身体依存(離脱症状)が凄まじいと言われています。自律神経の嵐と表現されるくらいです。彼女と生活をしていきたいという気持ちが芽生え始めました。自律神経の嵐と言われるオピオイド依存症の内因性バージョンに罹患してしまったわけであります。恋のドキドキで夜しか寝られないので、多分身体依存になっているんだと思います。知らんけど。

そんなわけで依存症患者の私は、モルヒネ様内因性伝達物質を出してくれる彼女の幸せややりたいことを支えたいと思うようになりました。内因性でこれだったら、外因性のモルヒネやヘロインには安易に手を出してはいけないことを彼女のおかげで学ぶことができました。ありがとう彼女。

ここまでのお話をまとめますと、素晴らしいトチ狂った彼女と出会えたので、彼女の幸せに寄与したいと思ったということです。精神的な面で支えたいとかは全く思っていませんが、少なくとも具体的な支援ができたらいいなあと思います。精神的な面で支えたいと思える心を持っていたら、僕は、某国家資格のことを某国家資格と書かずにちゃんとした資格名を書いて、その臨床家の道に進んでるでしょう。はい。

キャリアについて

上に書いたような出会いがあって、僕の人生を考えることにしました。とりあえず博士後期までは行きたい。それは、研究をしたいからです。あと僕の研究が嗜癖に苦しむ人の助け舟になると信じてるからです。が、博士号を仮に得たとして、その次にはアカデミックポストを探す勝負が始まるわけです。勝ち上がってアカデミックポストを得たとしても、次は研究費獲得勝負と次の任期ありポスト獲得勝負をするわけです。その勝負で勝ち上がり続けたとしても、任期なしポストゲットは40代くらいでしょうかね?カタギな人生ではありませんね。

このことについて考えていたら、尾崎豊の僕が僕であるためにってアカデミックポスト獲得チキンレースを、シェリーってアカデミックポスト獲得チキンレース敗れたおじさんの歌なんじゃないだろうかって思えてきました。「僕が僕であるために勝ち続けなきゃならない」けど、負けたら「シェリー、いつになれば俺は這い上がれるだろう」。地獄かこれ。

これまではヤクザ勝負に敗れたら縄に頸動脈洞反射誘発してもらって死ぬ選択を取れましたが、現在は内因性オピオイド依存症なのでそんな選択はできません。勝負に勝てるように修士の今から業績と徳を積んで頑張ればいいのかもしれません。が、僕は、研究がしたいのであって、「決して」研究キャリアを歩むための勝負をしたいわけではありません。

彼女を支えることを考えたときに、また首吊りの選択肢を外したときに、このヤクザな勝ち残り勝負に真っ向から向き合うことはできなくなりました。M1の間に論文投稿やら頑張りましたが、研究費を生意気ながら申請することを指導教員に許されて頑張ったけど全落ちしたので、他の優秀な同級生と比べたら自分が無能なのも自覚しました。そんな僕がヤクザ勝負を挑んでも勝てる気がしない。三角絞めOKなら勝てるでしょうけど。

研究がしたい=ゲームがしたい

そもそもの僕の信じていた「研究がしたい」という気持ちを深掘りして、研究がしたいかのはなぜか?と問うてみても、「研究が楽しいからしたい」という答えしか出せませんでした。これはつまり、信長の野望がしたいかのはなぜか?という問いに「お家騒動解決して上にいる美濃のマムシのバカ息子ぶん殴るの楽しいからしたい」という答えを出すのと本質的に変わりません。つまり、僕にとって論文や本読んでする勉強とか研究とかという行動は、ゲームと大差がないわけです。

かくしてなんとなく自分の中で「研究=ゲーム」という図式が見えました。さて、特例的なものがない場合の最短計算で27歳までゲームをしても、そしてその後のゲームは勝率が極めて低いヤクザ勝負になるわけです。 ゲームで人生ズタボロになるのっておかしいなって気付いたわけです。勝てるほど僕が強くなればいいわけですが、三角絞めのない殴り合いに勝てる気がしません。

ゲームはゲームとしてやりたいね

僕は一年いろいろ経験させてもらえたおかげで、研究をしたいという気持ちが少し変わりました。今も博士後期課程に行きたいです。論文読んで既知のことをまとめ、自分の頭で考えて未知の世界を開いていく。それはすごく楽しいです。あえて舐めた表現をしますが、今もまだそのゲームをしたいです。が、そのゲームに人生賭けるのは違うなと感じました。首吊りの選択肢はもうないので。

だから、一旦民間企業に就職します。ただし、社会人博士ができる企業を探しました。一応、そういった話をした上で拾っていただいた企業が数社あったので、来年から働きます。来年から、内因性オピオイド依存症を悪化させていきます。つまり彼女の幸せを少しでも支えたいと思います。だからこそ最低でも2年はフルタイムで働きます。まあ裁量労働制で働くからフルタイムという概念ないけども。

数年後に、ゲームをまたやりに戻りたいなと今は思っています。そのときには、退職するでも、社会人Dでもどっちでも良いけど、まあそのときに取れる選択をやろうかと思います。それは、オピオイドの強烈な離脱が発生したら(別れたら)、もしくは、彼女が学位と資格を取ってとりあえず一人で食っていけるようになってから、です。なお、某国家資格で食っていける仕事があるのか?というツッコミは悲しい気持ちになるので一旦無視します。

そんな気持ちの変化があったので、とりあえず就職することにしました。

M1、またB4の間に研究室訪問に行った先生方や、今指導していただいている先生方に大変お世話になりました。本当にありがとうございます。とりあえず今やりたいことをやり抜きたいと思います。頑張ります。

また今度、就職活動して感じたことも記事にして上げときます。

引用文献(?)

Murphy, Michael R., Stuart A. Checkley, Jonathan R. Seckl, and Stafford L. Lightman. 1990. Naloxone inhibits oxytocin release at orgasm in man.” Journal of Clinical Endocrinology and Metabolism 71 (4). https://doi.org/10.1210/jcem-71-4-1056.
Tomova, Livia, Kimberly L Wang, Todd Thompson, Gillian A Matthews, Atsushi Takahashi, Kay M Tye, and Rebecca Saxe. 2020. Acute social isolation evokes midbrain craving responses similar to hunger.” Nature Neuroscience 23 (12): 1597–1605. https://doi.org/10.1038/s41593-020-00742-z.

  1. ナルカンなので、エンドルフィンを操作しているわけだけど、直接的にエンドルフィンの血漿量が測られているわけでも、脳のどこにエンドルフィンが作用しているかについて検討されているわけでもない。一方、オキシトシンの血漿中量は計測されている。まあ、拮抗薬でオキシトシンのトリガーのオピオイドが邪魔されてることを示しているわけなので3段論法的に言えるだろうけど、明示はされていないので注意。↩︎